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社員にとって納得性の高い評価を実現するにはどのようなことに注意すれば良いですか?

質問

社員にとって納得性の高い評価を実現するにはどのようなことに注意すれば良いですか?

回答

人事評価においては、当然ながら考課者(評価する人)が被考課者(評価される人)を公正かつ適切なに評価することが求められます。そのためには、社内の考課者各人が目線を合わせ、同じ尺度で被考課者を評価できるように訓練を行う必要があります。ここでは、陥りやすい代表的なエラーも踏まえつつ、公正・適切な評価を行うことができる考課者の訓練方法について簡単に解説します。

評価時に陥りやすい6つの代表的なエラー

公正で適切な評価をするためには、考課者が、以下のような一般的に陥りやすい評価時のエラーを意識することが求められます。

1.ハロー効果

特別に印象深い1つのエピソードやある出来事に幻惑されて、他の評価要素に影響を及ぼしてしまうことを「ハロー効果」といいます。例えば、何か1つが良いと全体的に良いという印象を持ってしまったり、一度良いと判断した物事をいつまでも良いと見なしてしまうといったことは、よくあるエラーです。

2.寛大化傾向・減点化傾向

特定の能力や特性について実際より甘くまたは辛く評価してしまうことを「寛大化傾向・減点化傾向」といいます。被考課者に対する個人的感情や考課者自身の評価に対する自信のなさ、被考課者の行動事実の把握不足などが原因で陥るエラーです。

3.中心化傾向

評価が「3(中位)」に集中し、優劣があるにもかかわらずその差がハッキリしないことを「中心化傾向」といいます。考課者が極端な評価「1」「5」をためらったり、その評価に自信がない場合に生じます。

4.論理誤差

本来、評価に影響しない要素が評価項目と論理的に関係があると思い込み、評価に影響してしまうことを「論理誤差」といいます。例えば、責任感が優れていれば規律も守れているであろうといったことです。

5.対比誤差

評価者自身をものさしにして評価することを、「対比誤差」といいます。「自分に比べればまだまだ劣る」といった評価をしてはいけません。

6.近接誤差

評価期間中でも直近の事象の印象で評価してしまうことを「近接誤差」といい、直近の事象で評価しないように注意します。また期間外の出来事での評価も避けなければなりません。

次に、①適切な行動を抽出し、②適切な評価項目を選択し、③適切な評価点を付けるために、考課者に心掛けさせるべき3つのポイントを解説します。

ポイント① 普段の行動を観察・記録する

適切な行動を抽出するためには、普段の行動を観察・記録することが不可欠です。実際に観察・記録をしなければ、記憶・思いが評価となり公平性を欠くことになります。実際に観察していない範囲を無理に評価しようとすると、うわさや想像あるいは漠然としたイメージに頼ることになり、正しい評価が阻害されます。普段からメモをとることを意識し、観察できないことは本人や周囲への確認が必要です。

また、私生活上の問題や、職務行動を離れた個人的なつきあいなどを評価してはいけません。あえて休日のボランティアや地域貢献活動などを評価する場合もありますが、原則は、仕事と関連する行動が評価対象となる。

ポイント② 1つの行動には1つの項目で評価する

本人の人物全体の印象から個々の評価の優劣を決めると正確な評価ができなくなるため、個々の評価項目ごとに定められた基準に照らして評価します。また考課者が、対象となる行動が評価項目の中のどの項目に当たるかということを適切に判断することが必要です。1つの行動だけで全体的な評価に影響を及ぼさないため、原則として、1つの行動には1つの項目で評価します。

ポイント③ 社内基準に沿って評価点を決定する

前述した一般的な評価のエラーを十分に注意しながら、該当する職務行動を適切な評価項目で、社内基準に沿って評価点を決定し、評価します。

 

評価は人間が行うことなので、完全なる公正な評価は不可能と言えますが、考課者訓練を通して、以上のようなエラーがあることを知り、意識させることが重要です。

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