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質問

社会保険の加入要件に該当しているにもかかわらず加入されていない従業員の方がいる会社があり、気になっています。どのように対応したら良いでしょうか。

回答

会社が保険料を払いたくないから社員を社会保険に加入させないという話は論外ですが、知識がないために義務を果たせていない会社が多いのも現状です。

調査が入り指摘された場合、2年間まで遡って保険料を請求されるという事態もあり得ますから、会社としては大きなリスクです。このような状態を絶対に起こさないためには大きく2つポイントがあります。一つ目は雇い入れ時に正しく雇用契約を結ぶということです。

「週に20時間以上働く場合は雇用保険の適用になる、週に30時間以上働く場合は社会保険の適用になる、これは法律上の決まりであり、個人の選択により選択できるものではないということ。加入を希望しない場合は加入要件を満たさない範囲で働いてもらうしかない」ということを伝えてもらうようにします。

雇用契約を結ぶ際に社会保険の適用の有無を確認し、正しい内容の雇用契約を結ぶことが最も重要です。

2つ目は、勤務状況に変化があったときです。雇用契約上は加入要件を満たさない場合であっても雇用契約の内容より多く働き実態では加入要件を満たす場合があります。

社会保険への加入は実態で判断されますので、雇用契約の内容と実際の勤務状況の間にズレがある場合は注意が必要です。一時的なものであれば問題はありませんが、そのような状況が続く場合は雇用契約の再締結が必要です。勤務状況に変化があり、新たに加入要件を満たす方については、その状況が今後続くのであれば雇用契約の再締結を行い社会保険に加入してもらうこと。

社会保険の加入を希望されない場合は雇用契約の内容へ勤務時間を調整していくという対応が必要です。最後に残るのは、これまで加入要件を満たした働き方をしてきたにもかかわらず社会保険に加入することなく、かつ、会社からも何もいってこなかった方への対応です。

これらの方への対応が一番難しいでしょう。中には、今更保険料を払ってまで加入したくないと拒否する方もいらっしゃるかもしれません。ただし、会社が変わっていくためには一定の痛みも受けなければなりません。会社として、コンプライアンス上の責任を果たし適正な状態を保ちたいと言うのであれば、今、課題に向き合っていこうとしていることをそのまま伝えていく他ありません。言いづらいこともあるでしょうが、正しい知識を持って、会社としてあるべき姿に変わろうとしていることを伝えてもらいましょう。

 

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