労働基準法を守らない経営者の方に労働基準法を守ってもらうようにするためにはどうしたら良いでしょうか？

質問

回答

経営者は、自分が目指していていることを実現するために、会社を経営しているのであって、法律を守るために会社を経営しようとは考えていないと思います。

我々、社会保険労務士は、労働基準法を守るように指導するのが仕事ですから、優先順位が高いのですが、経営者にとっては、そうではないということを知っておくことが大切です。なぜ、労働基準法を守ることが必要なのか？その理由を経営者に理解していただかない限り、経営者は労働基準法を守ろうとはしません。では、経営者は労働基準法を守る必要があるのでしょうか？

インターネットの普及により、労働基準法の内容を知らない社員はいなくなりました。会社が労働基準法を守っているのかいないかは、誰でも分かってしまう時代になりました。自分の権利を守るという意識もあると思いますが、法律を守らない会社に対して、社員は不信感を抱くようになっています。

お客様に誠実に接しなさいと言っている会社が、社員に対して法誠実でない（法律を守らない）というのでは、説得力を持たなくなるからです。コンプライアンス（法令遵守）は、労働基準法に限らず、企業に求められるものになっています。「ブラック企業」という言葉が流行語になり、そのように言われている企業の業績が悪化していることにも現れています。

つまり、労働基準法を守らないと社員から信頼を得ることができず、社員を集めることができないのです。経営者一人でできることはたかが知られています。

経営者が実現する目標が大きければ大きいほど、多くの人を巻き込んでいかなければ、実現することはできません。労働基準法を守らないことが、経営者の目指していることを実現する上で、障害になっていることに気づいてもらうように働きかけることがポイントだと思います。